瞑想 認知症 物忘れ ヨガ

年を取るにつれ、段々もの忘れって多くなってきますよね。人の名前が出てこなかったくなったり、物をどこに置いたか思い出せず、後から何で?って思う様な所から見つかったり。

年を取るとともに脳の機能が落ちてくるのは、仕方がないのでしょうか?最近はテレビの健康番組でも、よく認知症予防の特集をやっていますね。いつまでも、しっかり頭は機能してほしいと、誰でも思うのではないでしょうか。

Journal of Alzheimer’s Diseaseで、ヨガ瞑想で認知機能テストの結果を改善出来るか、UCLAを含む研究グループが行った予備実験結果が4月に発表されました。

軽い認知症(MCI)と診断された55歳以上の被験者を集めて、二つのグループに振り分け、14人はヨガ瞑想を、11人は従来のMET(記憶増進トレーニング)毎日15分間、12週間続けたそうです。

安静時脳機能MRI(resting-state functional magnetic resonance imaging)で、記憶機能を測定した結果、ヨガ瞑想を行ったグループは、従来のMETと同程度の記憶機能の向上が見られたそうです。

このヨガ瞑想の方法が、Alzheimer’s Research & Prevention Foundationのウエブサイトに、詳しく説明されています。イラストもあるので参考になります。

この瞑想はKirtan Kriyaと呼ばれていて、何千年も行われている、クンダリ―二ヨガの瞑想方法で、「歌う運動」とも呼ばれているそうです(Kirtan=歌、Kriya=動き、という意味)。宗教性はなく、時間は好きな様に調整していいけれど、ストレスが軽減し、記憶に関与する脳の活動を増加させるには、一日12分間で十分とのことです。

Kirtan Kriyaの具体的なやり方は:

1)背筋をのばして、目を閉じて座る。

Kirtan=歌の部分サーターナーマーというMantraを繰り返す。その時、一文字ごとに、頭のてっぺんから眉間の間へと、L字型に音が流れるのをイメージする。サーの音階、ターの音階、ナーファの音階、マーの音階で。

Kriya=運動の部分:音に指の動きを合わせる。サーの時は、親指と人差し指を合わせる。ターの時は、親指と中指を合わせる。ナーの時は、親指と薬指を合わせる。マーの時は、親指と小指を合わせる。

2)二分間、声を出して繰り返す。

3)次の二分間、囁き声で繰り返す。(これで計4分)

4)次の4分間、心の中で繰り返す。(これで計8分)

5)次の2分間、囁き声で繰り返す。(これで計10分)

6)次の2分間、声を出して繰り返す。(これで全12分)

7)終わりに、両腕を頭の上に伸ばしながら、大きく息を吸う。息を吐きながら、ゆっくりと腕を両脇に下す。

[ポイント1]音を発する時、舌を口の中の上側につけること。84の経穴が刺激されるとのこと。実験では、指の動きを音に合わせることで、脳の運動―感覚神経が刺激されたとのことです。

[ポイント2]ラ、ソ、ファ、ソの音階をつけること。お経の様な単一の音階でやらない。

[ポイント3]一音ずつ、頭の中(頭のてっぺんから眉間の間)を流れるのをイメージする。

 

因みに、サー、ター、ナー、マーはSat Namから来ていて、「本当の私(My true essence)」という意味だそうです。実験では、この音を他の音で代用した結果、効果がなくなったそうです。

実は、何回かこの瞑想を試みたのですが、今日この記事を書くまで、このやり方できちんとやったことがなかったので、真面目にやってみました。携帯の瞑想アプリでタイマーを設定し、スタート。

舌を口の上側につけたまま「サー」って言うのは思いの他難しい!一音ずつ頭を通り抜けるのをイメージしながらやっていると、6分位経過したところで、何となく頭の中が温まってきました。血流がよくなっているのでしょうか?12分で終わらせると、何となく頭がすっきりしました。毎日やったら確かに脳によさそうだな、と思いました。

この瞑想を紹介しているAlzheimer’s Research & Prevention Foundationの記事では、とにかくストレスを減らすことが健康にいいと言っています。深呼吸をしたり、音楽を聴いたり、他の瞑想法であったり、自分に合った、楽しめるストレス解消法を見つける事が大事な様です。

瞑想というと難しく考えて敬遠されがちですが、この瞑想は気軽に出来るのではないかと思います。一度試してみて、よさそうだったら取り入れてみて下さい。